No. 702, Sept. 6, 2024, バーチャルとリアル、いろいろな一人称視点とセカイの広がり

9月のこえ

台風10号に振り回されているうちに、もう9月。日本各地では厳しい残暑が続いています。U-Cは、夜は少しは涼しくなってきたようですね。それぞれの場所で、どんな9月のこえが聞こえますか。Urbanaでは、9月6日(金)と7日(土)に、Homegrown Music Festival(No. 701)がUCIMCでにぎやかに開催されました。Part1では、そんな季節の話題から始まっています。。

収録は日本時間の9月3日(火)、RyutaさんはShizuokaから、MugikoはKyotoから参加しました。

Part1, 台風10号でふりまわされた件。UCIMCの地元音楽フェス

Part2では、Tateishiさんから届いたメッセージを紹介しながら、Tomoyaさんとのトーク(HS No. 700-2 & No.701)をふりかえり、VR展示の面白さについて話しています。Part3では、現実で目にする世界も、各自が利用するディバイスやメディアの進化によって、多様な広がり方をしているのではないか、と話しています。

Part2, 祝HS700回、巨大な作品も展示、 VR美術館の面白さ-Tateishi

HSも一筆一筆の積み重ね-Tateishi

おくればせながら・・・ハルカナショー700回おめでとうございます!植村友哉さんのお話にある、岩壁の大きな絵をポッドキャストのページでみるにつけ(No. 700-2)、まるでこのラジオそのものが、一筆一筆の積み重ねによって、大きなキャンバスの作品に仕上がっていったような、そういうイメージを喚起させます。毎回の取材・録音・編集、本当にご苦労様です。-Tateishi

Tateishiさん、嬉しいメッセージをありがとうございます。14年めのHS、これまで何百人という方が参加して番組をつくってきました。さまざまなこえを重ねた大きな共同作品ですね。-Mugi

リアル展示のサイズの制約、VR美術館の可能性

植村友哉さんの話をきいて、たしかに大きい絵は、めったなことでは外部に貸し出すこともないので、日本に来日して観賞できる絵画も、サイズの制約ってあるわけだなということに初めて思い至りました。飛行機に乗せられる作品っておのずと決まってきたりするだろうし、船で運んでまで貸し出すような巨大な作品って、なかなかなさそうですよね。そういう意味でも、建築物と巨大な絵はやはり現地まで出かけないと観られないわけですね。いままであまりそのことを考えたことがなかったです。(そしてVR美術館はそうした制約からも自由である、ということですね)-Tateishi

巨大な絵の展示は、日本の美術館では容易ではないかもしれませんが、Ryutaさんがコメントされたように、寺院の襖絵(ふすまえ)や天井画は、全長や作品のサイズがかなり大きなものもあります。襖絵をVR展示にすると、実物を見るのとはまた違う物語の連続性や細部についての発見がありそう。-Mugi

*田島達也(京都市立芸術大学)「京都障壁画拝観記録」, ex. 建仁寺  「繋ぐ」,中島良平「5年半ぶりに特別公開!狩野永徳、千住博という古今の”天才絵師”による障壁画に彩られた大徳寺聚光院」2023.03.03

Part3, バーチャルとリアルの「一人称視点」とセカイの見え方、見られ方

「一人称視点」による多様な「現実」

日常生活では、自分が見ているものをあたりまえに受けとっていますが、仮想現実では、扮するアバターを自分で選び、「一人称視点」を意識する機会がより多くありそうです。リアルであれ、バーチャルであれ、そこから見える「現実」は、一人ひとり違うということを、VR美術館についてのトークをとおして改めて考えさせられました。-Mugi

何かを見ているわたしが、いつも見られている

また、現在ではスマホがあれば、さまざまな場所についての情報をえることができます。地図帳をめくり地球儀を回していたMugikoの子ども時代とは、世界の広がり方、接し方も違います。Ryutaさんが話題にされた小型のアクションカメラを、頭部やヘルメットに付着すれば、たとえば、マウンテンバイクで起伏のある場所を飛び跳ね激しく体を動かしても、そのダイナミックな映像や音声を記録するだけでなく同時に配信もできます。すごい!自分ではできないような経験を、誰かの一人称視点からリアルに味わうことができる。でも、何かを見ているわたしが常に何かから見られているようで、怖さも感じます。

バーチャルとリアルの混淆

バーチャルとリアルについて考え始めると、電車に乗っていても、ふっと心細くなります。多くの人が手にスマホを持ち、映像を見て笑っていたり、しかめっつらしたり、ゲームに夢中だったり、ぐっすり眠っていたり、それぞれの世界に入り込んでいる。電車はたくさんのVRを積んで走っていて、わたしはどこにいるのかなあ、と。でも、そんなことより、早く今週の収録音源を聞き直して編集の準備しなきゃ、とすぐに「我」にかえりますが。Mugi

■DADARAY「9月に落ちるひとしずく」■GOING UNDER GROUND「1+1」■MIYAVI「Real?

 

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