No. 703, Sept. 13, 2024, 女子会2024(前半)サボタージュって?日本の高校体験、関西のノリはかっこいい-Sayaka & Kyoko

1年ぶりの女子会、国際結婚・子育てトーク、今年は何が起きている?

今週のHSは残暑を吹き飛ばすような、にぎやかな女子会トーク(昨年はNo. 649No.650へ)。収録は2024年9月8日、Sayakaさんは南仏のAlbiから、Kyokoさんは奈良のIkomaから、そしてMugikoはKyotoから参加しました。お2人とも国際結婚、それぞれの子供たちに今年は何が起きているのでしょうか。トークの内容は、Sayakaさんが詳しく書いてくださいました。Podcastの音声(part2-4)と合わせてお楽しみください。Part1では、Champaign CountyのWelcoming Week 2024についてふれています。

Part1,Champaign CountyでもWelcoming Week 2024, Sept.13-22、

Welcoming Week(2024年9月13日〜9月22日)は、移民を含むあらゆる人々との豊かな共生、地域社会つくりをめざすキャンペーンです。Welcoming America(NPO)とそのメンバー(Welcoming Network)が2012年から毎年、開催し、現在では、300以上のNPOや地方自治体が参加しています。Champaign County*においても、自治体や大学、University YMCA などが、さまざまなイベントを行なています。

*New American Welcoming Center(University Y)のサイトによると、“Champaign County is becoming a more diverse and international community with each passing year. Currently home to 25,552 immigrants, over 1 in 8 residents (12.2%) are foreign-born.  Our community has experienced a lot of dynamic change over the past decade—53.4% of immigrants in Champaign County entered the U.S. in 2010 or later in pursuit of better living conditions, jobs, education; to escape persecution, violence, or war; or to unite with or create families.”
*C-U IMMIGRATION FORUM, September 1, 2024, “Congratulations to the 2024 Recipients of the Immigration Welcome  Awards!”

Part2, パリオリンピックを日本で。サボタージュとは? -Sayaka & Kyoko

自己紹介

 Sayakaさんは一年の内3分の2を南西フランスにある世界遺産に登録されている街、アルビで過ごし、4月から夏までの期間を大学で非常勤講師を担当する為に日本に戻るという生活をしています。Sayakaさんのパートナーはフランス人でYutaさんという息子が一人います。

Kyokoさんは生駒在住で専門は文化人類学。インドについて研究しており、MugikoさんとSayakaさんとは教員仲間です。パートナーはフィンランド人でNaomiさんというミックスルーツを持つ娘さんが一人。Harukana Showではもう10年近く子ども達の成長について話をしてきました。当初は保育園児だったNaomiさんは身長が162 cmの中学生に、小学生だったYutaさんは身長180 cmの高校生となり見上げるように大きくなりました。

パリオリンピック

この夏はパリでオリンピックが開催されました。Sayakaさんは日本にいたのでオリンピックで盛り上がるフランスの様子はあまりわからないものの、今年は長期で日本に滞在していたフランス人の夫が日本視点のオリンピックを楽しんだそうです。例えばフランスではフェンシングが強く長時間放映しますが、日本にいるとフランスでは通常見ないような種目も観戦できたからです。オリンピックは一つでも、いる場所が違うと視点が異なり別のオリンピックがある。それを喜んでいる夫を見ているのがSayakaさんはおもしろかったそうです。

今年の夏、5年ぶりにフィンランドに行っていたKyokoさんによると、夏季オリンピックではメダルがあまり取れないフィンランドでは、全然オリンピックの盛り上がりはなかったということ。

Sayakaさんはフランスに戻った後に始まったパラリンピックを観て、日本ではあまり話題になっていなかった難民チームが報道されていることがフランスらしいと思いました。例えば現在フランスで難民申請中のアフガニスタン出身の女の子が金メダルを取ったことが非常に注目されていました。

インドでは100g体重を落とせず失格になったレスリングの選手に、CMオファーが殺到している事がニュースになっているそうで、国の威信をかけたオリンピックで女性も活躍していることなど、興味があるので今度インドに行った時に調べてみたいとKyokoさん。

サボタージュ

オリンピックが始まる直前に事件が起きたパリは大丈夫なのか?と心配に思ったMugikoさん。Sayakaさんによるとフランスにはサボタージュの伝統があるということ。サボタージュという言葉はフランス語で、サボはヨーロッパで履かれていた木靴のことを言い、産業革命後労働者が大きな機械にサボを挟み込み機械を意図的に動かないようにした、日本語に翻訳する「妨害行為」というような意味があります。人を殺すというようなことはないにしろ、本来動く物を止める。オリンピック開催に反対の声をあげ、今回のような同時多発で電車を停める人たちが出て来る。「こんなことが起きるのはフランスだけだな、、、起きると思っていたけど」と多くのフランス人は脱力、苦笑いしているという感じだったそうです。

Part3, 日本での高校探し、苦難の道のり、なぜ?-Sayaka & Kyoko

Yutaさん、日本の都市の高校を体験したい

 今年は5ヶ月といつもよりも日本に長く滞在したSayakaさん。例年通り一緒に日本に来たYutaさんは今年から高校生に。Yutaさんを受け入れてくれる高校を見つけるのが、相当に大変でした。

Yutaさんは、小学校も中学校も日本で一学期を過ごしてきました。引き続き、高校も日本で体験したいけれど、今まで過ごしたSayakaさんの実家がある伊勢ではなく、都会の高校へ行ってみたいというYutaさんからの希望。そこで、Sayakaさんが働く大学と、Yutaさんの従弟が住んでおりなじみがある神戸で高校を探すことになりました。

フランスと日本、二つの国籍を持つYutaさん。小学校から中学までは、義務教育として日本で学校に行く権利があり毎年快く受け入れてもらえ、学校にはそれを拒否することはできないという基本があったけれど、それが高校になるとなくなる。日本に滞在していた昨年の8月から様々な知り合いから得た「あそこなら入れてくれるのではないか?」という情報にもとづき、Sayakaさんは高校に電話で問い合わせました。親切に校長先生が事情を話してくれる学校もありましたが、大半は取り付く島もなく、そんな前例はないし、それは不可能、聞いたこともない、ととりあってもらえませんでした。フランスに戻ってからも高校への働きかけを続け、Kyokoさんにもお願いして声をかけてもらうなどするも、なかなか上手くいきませんでした。

最終的には12月になってやっと2校からOKを得ました。高校留学というものはよく聴くけれど、それは提携校とすることで、Yutaさんのように「日本の高校を経験したい」という理由から突然連絡しても取りあってもらえませんでした。神戸は国際的なイメージがあるにも関わらず、他の地域と比較すると意外と遅れている面もあるようです。

それでも、結果としてはYutaさんの神戸での高校生活は大成功。今までで一番楽しい学生生活を送ることができたそうです。受け入れてくれる高校がなかなか見つからなかったことに対し、Sayakaさんは意外だったような気もしつつ、自分の考えが甘かったのかな?とも。

一学期間の受入校探しの苦難

Sayakaさん側が希望したのが「夏休み前の一ヵ月だけ」ではなく一学期間という長期だったことも高校を見つける難しさの要因になっていたのかもしれません。受け入れたいと思ってくれても様々な規定からはずれる、制度にのっとっていないと難しい。そこをなんとかしてまで入れてあげたいという高校は、なかなかなく見つかりませんでした。

「高校の場合は受験を経て入学していることもハードルが高くなっている原因ではないか。一週間程度の提携校との交流などはたくさんあるし、外国にルーツがある子を受け入れようという高校も増えてきているので、これから2、3年すると状況がガラッと変わり、ふりかえって見ると、現在が過渡期だったということもありえるかもしれませんね」と大学の国際交流センターの所長しているKyokoさんは話しています。

全ての高校からすぐに断られたわけではなく、会議にかけて検討してくれたところもあり、「行けるかも!?」「やっぱりダメだった、、、」という一喜一憂の連続、11月くらいにはもう無理かも、と落ち込み諦めかけた時もあった、とSayakaさんはふりかえります。

受け入れてくれた高校

この春、晴れて日本の高校に通い始めると英語は話せるけれど、日本語が全く話せないフランス人の留学生が同学年いたそうで、受け入れてくれた高校はYutaさんのケースが初めてではない、前例がある高校だということがわかりました。もう一校、受け入れをOKしてくれた高校は全く前例がないなか、校長先生と教頭先生がこれからはこのような子どもを受け入れる体制も作らなければならないのでは?と考え、会議にかけてくれ、受け入れが決まったので色々なケースがあるようです。

両方の高校とも私立で、国際コース、大学は英語圏で行くことも検討するような生徒もいる高校だったので、Yutaさんが来ることが利点になる面もあったから受け入れが決まったのだろうとSayakaさんは考えています。

フィンランドやフランスでは?

「反対にフィンランドやフランスなどでは、ある高校に3カ月だけ在学するなどのコースや仕組みはあるのでしょうか?」というMugikoさんの質問にたいして、Sayakaさんは検討したことはないけれど、「フランスの場合は高校も義務教育(16歳まで)で、難民の子どもやフランス語を話せない子ども達も入学するという前提があるので、実際に高校が受け入れてくれるのかはわからないけれど、入りたいと言えば受け入れるのでは?」と話していました。

Kyokoさんはフィンランド人の姪からは、「フィンランドの学校では、自分の学びのペースに合わせて在学期間を半年など延長することが普通にできる」と聞きました。「日本で言う留年のようなネガティブな印象はなく、個人のペースに合わせて学習をすすめるという柔軟なシステムがあるので、短期間の受け入れもあるかもしれません。日本のように一斉に決まったレールに乗って偏差値が良い所を目指し、そこからこぼれ落ちると自己実現の場がない、という状況とは違いそうだ」とKyokoさんは感じています。

Part4, クラス内での共通の関心、関西のノリを堪能-Sayaka & Kyoko

Yutaさん、日本での高校体験、関西のノリが大好き

Yutaさんは、日本での高校生活をとても楽しみました。インターナショナルな分野に興味がある理系の子ども達が集まっているクラスに入ることができたこともよかったようです。女子より男子が多いクラスでした。数学に関する冗談(Sayakaさんが聞いても意味がわからない)を言って笑える、よく似たタイプの子どもが多く話があいました。

それから、Yutaさんは、関西のノリがかなり気に入ったようです。みながいつもおもしろいことを言ってやろう、そしてまたその冗談にどう突っ込むのかをいつも考えている。先生もおもしろい話に乗ってくる。これは関西風に言うと「ノリ、ツッコミ」「ボケ、ツッコミ」と呼ばれる言葉や会話を楽しむ文化で、みんなが瞬間にウィットをきかせるのがかっこいい、自分もあんなすごいのを決められるようになりたいと授業中にも積極的に発言、それが成功(?)して、みなが受けてくれるとうれしかったようです。

関西のノリは、おもしろいことを言って、自分を下げて、突っ込んでもらって笑いを取り全体を盛り上げる。今までいた三重県の人はやさしいけれど、冗談を真に受ける人が多くて、冗談が言いにくく、それとは異なった雰囲気がYutaさんが体験した高校ではあり、通い始めた直後から「楽しい!」と言っていたそうです。

例えば日本の高校が始まって少し経った時、既にみなYutaさんはフランスから来ていることを知っていた時点で自己紹介をする機会があり、自分の特技は「フランス語を話すことです!」と言ったら「ずるいぞ!」「そんなんなしや!」と三人くらいから瞬時にツッコミが入り、先生にも受けました。フランスで育っているYutaさんがフランス語を話せることは当然ながらも、「フランス語を話せるのが特技です」とボケてみせた。周囲もポイントを聞き漏らさないようにいつもアンテナを張っている。これが三重県だったら多分、「フランス語を話すのが特技です!」と言うと、そうだな、Yuta君はフランスに住んでいてフランス語上手だよな、、、、で終わるのに、「ずるいぞ!」ツッコミが入るのがまさに関西です。

日本の高校生活が楽し過ぎたからか?フランスに戻り高校で新学期が始まったばかりの今は、Yutaさんは少しがっかりしている様子です。フランスにはもちろん関西のノリはなく、先生は権威的で、友達のようには話せません。日本の先生は良かったなとYutaさん。フランスでは公立高校の普通科に入学、日本の高校のように興味がはっきりしている人が集まっているわけではないのも原因かもしれません。でもまたすぐにフランスの高校生活にも慣れるだろうとSayakaさんは思っています。-まとめ by Sayaka

菅野祐悟「3人で女子会」■藤井 風「ガーデン」*Yutaさんからのおすすめ■JVKE「golden hour」Yutaさん、Sayakaさんがこの1年よく聴いた曲■SANTA「Popcorn Saléフランスで今年になって大ヒットしたノスタルジックな、ポップコーンに自分が失ったイノセンスを投影しているフランスらしい一曲。-Sayaka

来週は、Kyokoさんと中学に入学したNaomiさんについてのお話を中心にお届けします。今年の夏は、2人でフィンランドへ行ったそうです。

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