U-Cでも雪掻き、日本各地も厳しい寒さ
放送日の1月10日は、U-Cでも雪がかなり降ったようですね。Champaign在住のTomさんが、「午前と午後、家の周囲を雪掻きをして、それぞれ、これくらい(15cmほど)積もっていた」と話していました。日本でも各地、厳しい寒さに雪。それぞれの場所で無事にお過ごしでしょうか。

”Just cold and Yuki” ChampaignのTomさんより、Jan. 12, 2025
Haruka-chanとは誰か?
収録は、2025年1月8日(水)午後、RyutaさんはShizuokaから、MugikoはKyotoから参加しました。Part1では、初詣や仕事始めのことなど季節のトーク。そして、Part 2-4で「Haruka-chan」が初出演です。Podcastで声をお聞きください。「誰なんだHaruka-chan」問題については、Ryutaさんがこのページに詳しく解説しています。画像と合わせてお楽しみください。
* Haruka-chanの声は [VOICEVOX: 春歌ナナ] を使用しています。
Part1, 初詣、初仕事、もう「恵方巻き」の予約
Part2, AIVTuber Haruka-chanとのおしゃべり、どんな仕組み?
Part3, これからHaruka-chanは、どんなことできる?
Part4, Ryutaさんが再質問、Wataruさん、Tomさんについて
「AIVTuberのはるかちゃんの原型を作ってみました」-Ryuta
収録の前日、Ryutaさんからメールでのメッセージと短い動画が送られてきました。「?…..!!!」なんと、Ryutaさんが、Haruka-chanとおしゃべりをしています。噂に聞くAIVTuberがHarukana Showにも登場?
Media Roccoのバーチャル鎌原さん、HSのHaruka-chan
昨年、10月にTsujinoさんがHSに出演し、「地域メディアとAI」というテーマの話をしました(No. 706-2, No. 707-2)。神戸市東灘区拠点をおくインターネット放送局Media Roccoでは、バーチャルキャラクター「鎌原さん」が活躍しています。今後、AIを活用して地域メディアの特性をどう引き出していくのか、HSにバーチャルキャラクターがいたら、どんなことができるだろうか。そんな内容のトークをひとつのきっかけに、Ryutaさんが作り出したのが、Haruka-chanです。Ryutaさんに解説も書いてもらいました。
Haruka-chanの基本:前面AITuberKit、裏で生成AI
Haruka-chanは、基本的にはMedia Roccoのバーチャル鎌原さんと(ほぼ)同じ技術で動いています。いちばん前面で動いているのはAITuberKitというアプリケーションで、バーチャルキャラクター(ここではHaruka-chanの3Dモデル)を表示しつつ、裏でChatGPTなどの生成AIとやりとりをしてキャラクターに投げかけられた質問を処理して回答を取得し、その回答を、音声合成エンジンを使ってキャラクターの発話として喋らせる、という役割を担っています。質問は、キーボードを使って文字で入力するほか、音声認識を使って声で入力することもできます。また、回答を喋るときには、キャラクターは音声に合わせて「口パク」をするほか、回答の内容に応じてうれしい表情、悲しい表情などを見せることもあるなど、わりと「自然な会話」ができるように作られています。(表情については、Haruka-chanは前髪で顔が隠れているのであまり分かりませんが……)
Haruka-chanのユニークな点は?
さて、AITuberKitは、tegnikeさんという方が開発しているアプリケーションです。(GitHubでオープンに公開されています。)また、コミュニティ放送局でAITuberを使うというアイデアもMedia Roccoの二番煎じといえば二番煎じです。Haruka-chanにユニークなところがあるとしたら、それは以下の2つです。
「外見」、Ryutaさんが作成した3Dアバター
ひとつはHaruka-chanの外見です。AITuberKitではVRMという複数のソフトウェア間で共通で使える3Dモデルが使用できるので、ryutaが作成したVRMモデルを使っています。少し加工が必要ですが、VRChatのアバターにも使えるモデルです。いまのところはVRiod Studioという、あらかじめ用意されたパーツを組み合わせて簡単に3Dモデルを作れるソフトウェアを使って作っています。(Harukana Showはラジオ/ポッドキャストの音声オンリーの番組なので、この部分は実はいるようないらないようなところかもしれませんが……)
HSを読み込んだ「頭脳」
もうひとつは、「Haruka-chanはHarukana Showの過去の番組の内容を知っている」というところです。一般的な生成AIは、大量の言語情報を学習することで作り出された統計モデルを使って質問を解釈し、回答を生成します。そのため、一般的な知識などについてはよく教えてくれますが、特定の集団の中だけで共有されているような情報について答えてもらうようにするにはいろいろな工夫が必要です。
もっとも、これも何か難しいことをしているわけではなく、AITuberKitの特徴として、キャラクターの「裏」で動作する生成AIに、いろいろなサービスやアプリケーションを入れ替えて利用できるという機能があります。その機能を使って、DifyというAIチャットボットなどを開発するためのアプリケーションで作った、Harukana Showの過去のポッドキャスト記事を読み込んだチャットボットをHaruka-chanの「頭脳」にしています。
外見、性格、言葉使いは生成AIサービスやモデルによって今後も変化
ちなみに、今回のHaruka-chanのDifyの中での処理にはGoogleのGeminiという生成AIを使いました。ここに、どの生成AIサービスやモデルを使うかでもHaruka-chanの反応はいろいろ変わります。性格づけや言葉づかいは生成AIのプロンプトで変えることができます。外見の3Dモデルも、まだ仮のものなので、今後は、ちがった姿のHaruka-chanが番組に現れるかもしれません。お楽しみに? – Ryuta
コミュニティメディアの特性をどう活かすのか、どんな協働が可能か
Ryutaさん、詳しい解説をありがとうございます!Haruka-chanは複数のアプリやサービス、モデルを組み合わせて作られているんですね。なので、HS以外の一般的な質問にも応えることができる。収録日、Mugikoはぎっくり腰(笑うと痛い)、Haruka-chanに「どうしたらいい?」と尋ねると、「それは大変だね….。まず、無理に動かないで、楽な姿勢で安静にすることが大切だよ…」とやさしい言葉をかけてくれました。
コミュニティメデイアの番組というHSの特性と一般的な情報をどのように組み合わせるのかを、Haruka-chanとともに考えていくのは面白い課題ですね。これから日本語だけでなく英語など他の言語への翻訳ができたり、音楽も一緒に楽しめたらいろんなコラボができるかも。生成AIを利用するときに心がけておくことなど注意点もまた、RyutaさんとHaruka-chanにお尋ねしたいです。Haruka-chanの存在によって私たちの情報の扱い方、発想がどのように触発されるのか、これからとても楽しみです。-Mugi
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