No.613, Dec.23, 2022, U-Cは極寒ホリデー、「伊那谷の屋根のない博物館の屋根のある広場へ」with Hi-san

極寒、大雪のホリデー

12月23日のChampaignの予想気温は最低-22℃、最高でも-17℃、極寒。Champaign Public LibraryUrbana Free Libraryも悪天候のため12月22日、23日は臨時休館、24日と25日はホリデー。日本も各地で大雪の週末です。それぞれの場所でどうか安全にお過ごしください。

番組収録は、日本時間の12月22日(木)午後9時半、RyutaさんはShizuokaから、MugikoはKyotoから参加しました。後半は、Hiさんのトーク第2部です。

*No.612, Dec. 16, 2022, UIUC留学体験から市立伊那図書館館長へ、暮らしに学ぶ with Hi-san

Part1, 極寒、大雪の週末、悪天候のため図書館も前倒し休館

Part2, 多様な居方、情報、活動。図書館を施設から開放 – Hi-san

Part3, 異世代、多様な協同、地域と人と情報をつなぎなおす- Hi-san

part4, GISと図書館 -Wataru、発信支援も図書館の役割-Ryuta

「伊那谷の屋根のない博物館の屋根のある広場へ」with Hiさん

第2部では、Hiさんが伊那市立図書館館長(2007-2015)されていた時期の取り組みについてお話を伺いました。Hiさんたちが掲げたキャッチフレーズは、「伊那谷の屋根のない博物館の屋根のある広場へ」

図書館の空間・情報・プログラムをひろげる

図書館という場所を、「空間」としては利用者によってさまざまな「居方」ができるようにしました。例えば、図書館の本を読むだけでなく、窓際のハイカウンターに座って受験勉強をしてもよいし、使ってなければ会議室も多目的に使用してもよい。読み聞かせのイベントに集まった人たちが軒下の広場でご飯食べたり、おしゃべりすることもできる。また、本だけでなく、デジタルな情報も扱う。「人」が集まる場所としても、子どもたちが楽しみながら本と接したり、調べたことを紙芝居にして発表するなど実践的なプログラムがあってもいい。Hiさんは、図書館をいろいろな方向から開く試みをしていきました。

図書館が施設から自由になって、地域と人と情報をつなぎなおす

また図書館のプログラムとして、館内にとどまらず、フィールドワークも取り入れました。地域の暮らしには実践の知や、人々の記憶や記録が豊かに存在します。中学・高校・大学生が、年配の郷土史家や、建築家とともに地域を探索し、そこで得た情報をアプリを使って古地図に記していく。そのアプリを作ったデザイナーの話を聞く機会ももうける。異なる世代、さまざまな立場、専門の人たちが、情報、経験、スキルをだしあい、協働して地域の情報のプラットフォームを作っていく。地域通貨を作ったり古本市を行うなど、情報と人をつなぎ直すそれまでの図書館とは異なる試みを重ねていきました。

「高遠ぶらり」伊那の取り組みのGIS利用したアプリケーション

図書館のリソース+情報技術の活用

こうした斬新な取り組みは、図書館だからこそできる活動であることも、Hiさんは強調されていました。Ryutaさんが話されていたように、公民館も人が集まる大切な場所ですが、しかし、公民館それ自体が情報資源をもっているわけではありません。博物館は、テーマにそって展示を行い多くの人がそれにふれることができますが、所蔵物を一般の人々が利用することを前提とはしていません。

図書館はこれまでも、館内の情報のリソースを一般の人々が利用できるようにするために、所蔵する本などの情報を分類、整理し目録を作成してきました。そのおかげで、現在ではさまざまな検索が可能となっています。

図書館が培ってきた情報整理と共有の仕組みと情報技術を組み合わせることで、書誌情報だけでなく、人々の暮らしのなかにある実践の知や記憶、音や映像などの多様なかたちの情報を扱い、検索などの機能も進化しています。この話題については、来週の第3部、県立長野図書館での活動についてのトークへと続きます。(まとめ-Mugi)

記憶や経験や知識が居場所をえて、また誰かに伝わっていく-Mugi

長い歳月のなかで培われた伊那谷の暮らしの文化のなかに、多様な人々が混じり合う開かれた場所として図書館が存在し、Hiさんたちが、人と情報と場所をつなぎなおす仕掛けや仕組みを作っていく。そこで、人だけでなく、さまざまなかたちの記憶や経験や知識が居場所をえて誰かに伝わっていくと想像すると、ワクワクしました。

Hiさんたちの取り組みは、Harukana Showで、WataruさんたちがGIS(地理情報科学)をさまざまな現場で活用して、質の異なる情報を地図のうえで重ねて共有し、可視化、分析していくというお話と似ているなあと思いました。Wataruさん、どうでしょう?-Mugi

*注文していた本がクリスマスにようやく届きました。宮下明彦・牛山圭吾編著 2013『明日をひらく図書館ー長野の実践と挑戦』青弓社。この本の平賀研也「公共図書館長がプロデュースする伊那市立図書館」を読むと、今回のトークでHiさんがふれられた古本市や「高遠ぶらり」(携帯端末用アプリ、古地図や絵図の上にGPSで現在地を表示し、今の地図と切り替えてみることができる)を使ったプロジェクトについての詳細がわかります。-Mugi

市民も情報の伝達・発信者へ、図書館のサポートとGIS-Wataru

Hi-san の取り組み、似てますね!成果物には、今もアクセスできますか?もっと具体的に伺いたいところです。日本人だからか?どうしてもメディアリテラシーと聞くと、情報の受け手の視点で考えがちですが、市民も情報の伝達・発信者になれるサポートを公立図書館が担ってるんですね。かっこいい。

さて、GISについては、これまでHaruana Showで話したようにアメリカでは大学図書館が、その教育普及を担当しているケースも多く、相性がいいのは立証済みですから、日本でも、大学図書館さらには公立図書館を介して、GISがもっと普及するといいなと思います。-Wataru

*No.586, June 17, 2022, Uni HighでGISワークショップ with Wataru-san, GIS シリーズ No.9(前半)*No.588, July 1, 2022, 地域との交流、GIS活用 with GISシリーズ No.9 (後半)

発信支援も図書館の役割-Ryuta

日本でメディアリテラシーや情報リテラシーという言葉を用いる時には、教育の中でも、コンピューターの使い方や情報の読み取り方に重点をおきがちという印象を受けます。Ryutaさんのお話では、日本図書館協会「図書館利用教育ガイドライン」(1995)では、情報リテラシーといった用語は使われていませんが、図書館は情報発信までサポートするべきといった内容が記されているそうです。それから30年近くたった現在、日本の図書館ではどのようなサポートがなされているのかな。

■ King Gnu「白日」■FAITH「Miles」■ John Lennon & Plastic Ono Band (with The Harlem Community Choir)「Happy Xmas (War is Over)

*King Gnuの常田大希さん、井口理さんは、伊那市出身。FAITHは、伊那市の別々の高校に通う5人で2015年に結成したバンド、2021年に解散。

COVID-19 Cases Updated on Dec.22, 2022, 10:07PM, CUPHD

UCPHDの情報が更新されていないので、12月22日の情報を掲載します。赤信号が続いています。寒さ、インフルエンザ、COVID-19にも気をつけてお過ごしください。

 

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