もう、春。
日本各地は、急に暖かくなりました。Kyotoも連日、最高気温が20℃をこえています。卒業式シーズン、花束を抱えた袴姿の若い人々をよく見かけます。
Part 1は季節のトーク、Part 2 &3では、AASのFilm Expo2023で上映される大川史織監督『keememeji』(2021年)について話題にしています。また、Tamakiさんからの久しぶりの食レポートもあります。収録は日本時間の3月9日、RyutaさんはShizuokaから、MugikoはKyotoから参加しました。
Part1, 3月12日からDay Light Saving(サマータイム)
Part2, AAS Film Expo2023 で大川史織監督『keememej』上映
Part3, Shioriさんの「歴史実践」、TamakiさんのBaltimore食レポート
UIUCは春休み、Day Light Saving開始、CSTと日本の時差は14時間
イリノイ大学は、3月11日(土)から19日(日)まで春休みです。また、米国では一部の地域を除いて、3月12日(日)からDay Light Savingが始まります。この日の真夜中に時間が2時が3時に進み、イリノイを含むCST(Central Standard Time)と日本の時差は14時間となります。来週のHarukana Showは、日本では土曜日午前8時から始まります(wrfu)
AAS2023 Boston, Film Expo, March 16-19
Association for Asian Studies Annual Conferenceが3月16日から19日までBostonで開催されます。そこで、UIUCのCEPAS (Center for East Asian Studies)が主催するFilm Expo 2023では、アジア関連のドキュメンタリフィルムが23本上映されます。それぞれの映像の制作関係者との対面/オンラインでの質疑応答もあります。
大川史織監督『keememej』
上映日時と場所:3月17日(金)4:10OM-5:45PM, Boston Sheraton Hotel-Hampton (3rd Floor) . この日、Shioriさんも登壇されます。Shioriさんから届いたメッセージです。
「こんにちは。東京は少しずつ春らしくなってきました。AAS Film Expo、参加登録は不要、入場無料です。ボストン近郊にお住まいの方、ぜひお気軽にいらしてください。会場でお会いしましょう!」-Shiori
ShioriさんとTamakiさんのご縁とHarukana Show
Tamakiさんが2014年に、マーシャル島マジェロに数日間滞在された時に、現地でShioriさんと会われのが最初の出会い。それから、2017年には、Tamakiさんがポンペイにおられる時に、Shioriさんが立ち寄られ再会しました。そして、Shioriさんが『タリナイ』を製作されたと聞いて、2018年9月にTamakiさんがこの映画をHarukana Showに紹介してくださいました(HS No.393)。
Shioriさんのマーシャル諸島との関わりと映画については、2019年冬に番組でお話を伺いました(HS No.407とNo.411)。その後、2019年3月のFilm Expo (Denver)で、『タリナイ』が上映されました(No. 419)。また、COVID-19感染が拡大する中で、『タリナイ』マーシャルエイド緊急配信のお知らせをいただいたこともあります(HS No.488)。そして、2023年2月にShioriさんから、Film Expo2023での『keememej』上映という嬉しいメッセージが届きました。Bostonでの上映会の様子も、ぜひ、またお聞かせください。-Mugi
映画と書籍、人と人と記憶つなぐ媒体
Shioriさんは、この2つの映画と並行して2冊の本を編集されています(大川史織編著、みずき書林)。『マーシャル、父の戦場――ある日本兵の日記をめぐる歴史実践』2018年、『なぜ戦争をえがくのか――戦争を知らない表現者たちの歴史実践』。Shioriさんがさまざまな人と出会い、たくさんの言葉と対話のなかから記憶が開かれていく、その瞬間が、映像にも文字にも記されています。
keememj、憶えている
映画『keememej』(2021)には、最初の映画『タリナイ』(2018)をマーシャルで上映した時の様子も含まれています。『タリナイ』の現地上映でのタイトルをkeememejとした経緯が、編著書(2021)にこう説明されています。
編集時から、マーシャル諸島での上映を夢見ていた。いざ、上映会を目前に控え、藤岡みなみプロデューサーとわたしは現地上映でのタイトル決めに頭を抱えていた。作品のキャッチコピーには「憶えている」ということばを入れた。「忘れた環礁は、憶えている」。マーシャル語で「憶えている」は「keememej」。日常会話でよく使う「ケーメメッジ」をふたりで発音する。響きを確認し、うなずきあった。(p.70)
<歴史する>実践方法
2冊の本のタイトルにはいずれも、「歴史実践」という言葉が入っています。『なぜ戦争をえがくのかー戦争を知らない表現者たちの歴史実践』の「はじめに」にShioriさんは次のよう記しています。
当事者にしかわからない体験や記憶を語り継ごうとするとき、どのような方法があるでしょうか。過去の出来事を〈未来に起こりうる〉こととして想像することも、ひとつの方法です。知らないことを知ろうとするとき、〈歴史する〉実践方法やそれを伝える表現の仕方もさまざまです。
この本では、写真を撮る、絵を描く、小説や漫画を書く、映像、音楽、演劇、工芸、彫刻、アプリを作るなど多彩な表現で歴史実践をしている表現者たちが、どのように思考をめぐらせ、ことばを選び、戦争をえがこうとしているのかを知りたいと思いました。
国家と国家の戦争の狭間で生きた〈ひとり〉の声を聴き、その声の中に潜む引き裂かれた思いや矛盾を〈ひとり〉の表情、息遣い、生き方、死に方を通して丁寧にえがく表現者の語りに耳を傾けると、〈戦後〉や〈平和〉といった多用しがちなことばによって、見えなくなってしまう無数の〈ひとり〉がいることを思い知ります。( p.6)
Shioriさんのいう歴史実践とは、大きな力や仕組みにのみこまれて見えなくなりそうな、一人ひとりの声や時には自身にも向き合い、さまざまな言葉や表現をつなぎ紡ぎながら、そこから何が見えるのかを、未来に向けて考えることなのかなと思います。3月11日を思いながら、番組でこの「はじめに」を読みました。-Mugi
Tamakiさんから久しぶりの食の話題
Tamakiさんからも、春の香りと久しぶりに食の話題が届きました。
DCの桜、早くも開花
DC名物桜の開花で春めいてきました。3月4日土曜日に春と桜を求めて国会議事堂と議会図書館周辺散策
Baltimore Museum of Industryのスパイス店
お隣のメリーランド州ボルティモアの食文化には欠かせないスパイス。こちらは、Baltimore Museum of Industry でスパイス店の様子を再現した展示です。このMuseumは牡蠣加工工場の建物を再利用した歴史的建造物です。ボルチモアはNYとDCの中間という立地を活かした巨大工業都市として、またB&O鉄道(Baltimore and Ohio Railroad)とボルチモア港から国内にも海外にも繋がっている産業発展に欠かせない歴史的な街です。
シーフードレストランで、生牡蠣、海老のサラダ、クラブケーキ
ということでチェサピーク湾に面したシーフードレストランで生牡蠣、焼海老のサラダ、クラブケーキ(蟹のハンバーグのような)を堪能、フライドポテトは名物スパイスの味付で。
クラブケーキの配合も土地によりレストランにより色々違いがあり、自分好みの味に出会えるとかなり嬉しいですよ。蟹味噌が混ざっているとよりクリーミーで美味です。コールスローサラダとタルタルソースが添えられていました。
生牡蠣には、どこのレストランでも赤いカクテルソースにホースラディッシュとレモンが付いてきます、ホースラディッシュは西洋わさびとしてご存じかと思います。この組み合わせも美味しいですが、たまにはポン酢で食べたくなりますね。-Tamaki
おいしいクラブケーキを食べたい!日本でもあるかな。次回は作り方のコツも教えてください。Mugi
■太田屋「旅たちの日に(Cover)」■寺尾紗穂「記憶」■ジェイク・シマブクロ「Gradation」