No.632, May 5, 2023, Nikkeijin Illinoisにふれる-Nisei, Sansei, Yonsei

5月5日石川県能登地方で地震

5月5日14時42分、石川県能登地方を震源とする地震がありました。珠洲市では、最大震度6強を観測し、その後も、余震が続いています。また大雨の影響も心配です。「各電力会社によると、新潟県の柏崎刈羽原発、福井県内の美浜、大飯、高浜原発、石川県の滋賀原発に異常は確認されていない」(京都新聞 2023年5月6日朝刊)。また、5月6日2時47分頃、青森県東方沖を震源とする地震があり、震度4を観測しています。気象庁地震情報

NHK Web 【随時更新】被害まとめ 石川県で地震相次ぐ 1人死亡22人けが 2023年5月6日 10時47分

Free Comic Book Day @ Champaign Public Library &Urbana Free Library

Harukana Show、今週の番組収録は、5月4日(木)、RyutaさんはShizuokaから、MugikoはKyotoからの出演です。UIUCは春学期の終わり、試験期間ですね。5月の第1土曜日は、“FREE COMIC BOOK DAY”。Champaign Public Library やUrbana Free Libraryでも、10am-13pmに関連イベントがあります (Part1)。これは、アメリカだけでなく、世界各地開催されているようですね。

*「フリーコミックデーって何?」VERSE COMIC

Part1, Free Comic Book Day, Kanaさんからのメッセージ、選曲

Nikkeijin Illinois – Nisei, Sansei, Yonsei

Part2&3では、Spurlock Museumで開催されているNikkeijin Illinoisで展示されているNisei, Sasei, Yonseiについて、展示で扱われている4人の人物を紹介しました。いずれもイリノイ大学の歴史と現在に関わっておられます。この展示のタイトルがNikkeijinという用語が示すように、日系アメリカ人のあいだで使われていた用語が、解説文 (exhibit text) にも使われています。Gannenmono (元年者)、Issei (一世)、Nisei (二世)、Sansei (三世)、Yonsei (四世)、Kibei (帰米)など。こうした用語を含め、Ryutaさんに、英文の解説文の一部を日本語にも訳していただきました。

Part2, Nisei: Seichi Bud Konzo (1905-1992), Hideo Sasaki (1919-2000)

Part3, Sansei:Yukiko Okinaga Hayakawa Llewellyn (1939-2020), Yonsei: Jason Finkelman (1968-)

Nisei: Seichi Bud Konzo (1905-1992)

セイチ・バド・コンゾーさんは、ワシントン州タコマ(シアトルの近く)の生まれの日系二世です。ワシントン大学(University of Washington; ワシントン州の州立大学)で機械工学の学士号を得た後、1927年にイリノイ大学アーバナ・シャンペーン校の大学院に入学、卒業後も研究員、教員としてイリノイ大学に残りました。北米初の一般住宅用空調を導入した家に「実験的に」住むなど、家庭用空調の研究に貢献し、没後の2018年には米国暖房・冷蔵・空調技術者協会(American Society of Heating, Refrigeration and Air Conditioning Engineers/ASHRAE)の名誉殿堂入りを果たしています。

第2次世界大戦開戦時にはすでにシャンペーン・アーバナにおり、中西部は強制移住の対象にはなりませんでしたが、(おそらく西海岸に残っていた)母親と姉妹の方は1942年から45年にかけて強制収容を経験しました。

1992年に亡くなるまでアーバナに住まれており、キャンパス近くの墓地に墓所があります。下の画像は、イリノイ大学の「墓地ツアー」の対象になったときの様子です。(Harukana ShowでもおなじみのWataruさんがコンゾーさんを演じました。)-Ryuta

墓地ツアー&Virtual Cemetery Walk. Harukana Show No.451 & Web Map

Hideo Sasaki (1919-2000)

ヒデオ・ササキさんはカリフォルニア州生まれの日系二世です。UCバークレー在学中だった1942年に家族とともにアリゾナ州ポストンの収容所に収容されましたが、1944年にシカゴに移住するかたちで収容所を出て*、その後、イリノイ大学に編入学します。1946年にランドスケープ・アーキテクチャーの学位を取得して卒業、ハーバード大学で修士号を得ると、1948年から53年まで、イリノイ大学で講師、准教授として教鞭も取りました。

1953年にはマサチューセッツ州でSasaki Associatesという建築事務所を設立して独立しますが、その後もイリノイ大学の建物や環境の設計に参画し続けたということです。学生寮やOrchard Downs(ファミリーハウジング)、Undergraduate Libraryの拡張、Krannert Center for the Performing Artsなど、かかわった多くのプロジェクトが今もキャンパスに残っています。-Ryuta

展示解説によると、1940年には、シカゴをホームタウンとする日系人は390人であったが、第2次世界大戦が終わる頃には、収容所を出てシカゴにやってきた日系人の数は2万人近くになりました。その数は、1960年までには、1万5千人ほどにおちつきました。-History Note: Japanese American in Chicago, exhibit text

Orchard Downs, Oct. 2015 photo by Ryuta

*Hideo SasakiとSasaki Associatesが関わったイリノイ大学キャンパスのデザイン、設計については、Lex Tate, John Franch, An Illini Place: Building the University of Ilinois Campus, University of Illinois Pressにも詳しく記されています。

Yukiko Okinaga Hayakawa Llewellyn (1939-2020)

ユキコ(ユキ)・オキナガ・ハヤカワ・ルウェリンさんは、カリフォルニア州ロサンゼルス生まれの日系三世です。1942年、シングルマザーの母親とともにマンザナ収容所への移住を命じられたときには3歳でした。このときに米軍に雇用されたカメラマンに撮影された写真が米国公文書館に残っています。

戦後は、母親とともにオハイオ州クリーブランドに移り、レークフォレスト・カレッジを卒業後、チュレーン大学で演劇学の修士号を取得。1965年に、当時の配偶者ドン・ルウェリンさんとシャンペーン・アーバナに移住したあとは、2002年まで、40年近くに渡り、イリノイ大学で事務系の仕事に携わっていました。-Ryuta

“A young evacuee of Japanese ancestry waits with the family baggage before leaving by bus for an assembly center in the spring of 1942.” photographer Clem Albers, NAID: 539959

Yonsei, Jason Finkelman (1968-)

今回の展示のキュレーターでもあるジェイソン・フィンケルマンさんは、ペンシルバニア州フィラデルフィア生まれです。母親のレイコさんが収容所生まれの日系三世で、ジェイソンさんは日系四世にあたります。祖父のトシオさんは、米国で生まれて、日本で教育を受けて米国に戻ってきた、いわゆるキベイ(帰米)と呼ばれる二世でしたが、帰米二世は日本との繋がりが強いとみなされ、第2次世界大戦中にはさまざまな苦労がありました。

ジェイソンさんの日本でのルーツは鳥取県にあります。2013年に初めて日本を訪れ、鳥取に滞在したときのこと、その後、アーカンソー州の強制収容所跡地を訪れたときのことはHarukana Showでも話してくださったことがあります。(No.132 October4, 2013No.133 October11, 2013-Ryuta

まだ見ぬ展示にふれる

Satomiさんからのメッセージから始まり、2回にわたってNikkeijin Illinois展示ついて話してきました(HS No.630, No.631)。アメリカに不在のMugikoにとっては「遠い」展示に、どのようにふれることができるのか、その展示をまだ見ぬ人にどう伝えることができるのか。今回のトークは、この展示の本質は何なのかを考える良い機会となりました。

Nikkeijin Illinoisの息づかいを伝える

Nikkeijin Illinoisがプラットホームとなって、見る人によっては、イリノイ大学のキャンパス、Satomiさんの率直な感想、Ryutaさんの日本語でのわかりやすい説明、Wataruさんの墓地ツアーとGIS Map(Nikkeijin Illinoisとコラボできたらいいのに)、Jasonさんのパーソナルストリーと、Jasonに日本でお会いした時の生き生きした表情の記憶、などが媒体となって、Nikkeijin Illinoisに登場する人々の息づかいが近くにあるような気がしました。12月までの展示期間に、Nikkeijin Illinois がどのように展開していくのかも、楽しみです。Spurlock Museumを訪問された方の感想もぜひお寄せください。-Mugi

■Mitski 「Geyser」■Joji 「Glimpse of Us」■rei brown 「Xeno

今回のテーマに合わせて、Kanaさんに海外で活躍する日系人アーティストの曲を選んでいただきました。ありがとうございます。音楽を含む番組全体はこちらからWRFU Archiveから聞くことができます。Harukana Show Recording Archive (WRFU), HS No.632= 2023-05-05-1800 -Mugi

Champaign County COVID-19 Cases, Updated on May 5, 2023, 12.20 PM, CUPHD

カテゴリー: Harukana Show-Podcast パーマリンク

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