No. 657, Oct. 27, 2023, 「秋のイベントたち」「米国のオピオイド問題」

地域をつなぐ秋祭り

今週はRyutaさんはSaitamaから、MugikoはKyotoからの出演です。Mugikoが住むKyotoの自宅界隈では、10月22日(日)快晴の中、地域にあるそれぞれの神社の秋祭りが賑やかに行われていました。自宅にいても太鼓の音が聞こえるので、路地を飛び出し見学。子どもたちだけでなく、広い年齢層の大人たちが、それぞれの役割に応じた衣装を着て地域を練り歩きます。見ているだけで、楽しかったです。COVID-19感染が終息したわけではないけれど、ピーク時とは違うかたちで、地域の暮らし、つながりが活気づいてきたのかなと思います。-Mugi

U-Cでは来週のハロウィンが終わったら、そろそろ冬支度でしょうか。今週の番組前半 (Part1 &2) は、U-CのSatomiさんからのお便りと地域情報を紹介しながら、秋を美味しくおしゃべりしています。後半 (Part3) は、先週のWataruさんのGISシリーズ No.11 (No.656)を受けて「オピオイド問題」について話しています。

Part1, 「ほんとうにおいしんですよ」Black Dogの思い出

Part2, 図書館総合展示、C-U Small Press Fest2023, Zine Exhibition

Black DogのUrbana本店

以前の番組 (No.654) で、BBQレストランのBlack Dogのお店の話題が出たと記憶していますが (Ryutaさんが訪れてみたい場所の一つになっていたと思います)、Black Dogはまだあります。Ryutaさんがこちらにいらした時は、Urbanaダウンタウンにある小さなお店、一軒しかなかったと思いますが、あれからChampaignに大きな支店を新しく開きました。コロナ禍の時にはUrbanaの本店は一時閉店となり、それ以来Urbanaのお店は、一向に再開の気配がありません。Champaignのお店は人気があり、いつ行っても混んでいます。コロナ禍以降、私はテイクアウトで食べるのみとなり、なかなかレストラン内でBBQを食べる機会がありません。Urbanaのお店を手放すとかそういう話は聞いてないので、Urbana住民としては近いうちに再び営業してほしいものです…地元レストラン情報でした。こちらは葉の色が黄や赤に変わって秋真っ只中といった感じです。-Satomi

アメリカ、特に南部では、バーベキュー (BBQ) と言った場合、「野外で肉や野菜を焼くこと」ではなく、「塊肉をスモーカーで長時間調理してバーベキューソースをかけた料理」を指します。(つまり料理のいちジャンルです。)牛のブリスケ(という部位)をスモークしたbeef brisket、豚の塊肉をスモークして手で裂いたpulled pork、豚のリブ(あばら骨のところの骨付き肉)などが代表的なメニューだと思います。BBQレストラン自体はアメリカの至るところにありますが、塊肉の長時間調理なので、肉が乾きぎみになってしまったり固かったりと、あまり美味しくないことも……。Black Dogは、どのメニューもしっとり仕上がっていて、何を頼んでも美味しかったです。- Ryuta 

C-U Society Press Festival 2023

2023年10月28日(土)は、Lincan Squareで11am-4pm、C-U Small Press Festival 2023が開催されます。このフェス、Mugikoも4年前に参加し(Blog, April 13, 2019)、HSでもお伝えしました (No.421-1)。この時は、UC-IMCで開始されました。Small Pressは小規模出版のことですが、このイベントには、個人としてのZineの作り手から、オンラインや印刷を含め、自分たち冊子を作り発信していくグループや地方の小規模出版社、大学、ライブラリーなど、さまざまな「もの」作りの発想を創造的に楽しむ人たち、団体が集まります。こうした活動に関心を持つ人たちとの作り手、読み手の境界をこえた情報共有が、地域コミュニティとのつながりのなかで展開されます。ボランティアによってささえられているイベントです。コロナ下ではオンラインでも開催されていました。サイトにはVendorsたちのユニークな顔ぶれ、作品を見ることができます。-Mugi

Zine Exhibition @ Art Co-op

「このフェスの一部としてZine Exhibitionが10月7日から10月29日までArt Co-opで開催されています」と先週、お伝えしました。Mugikoが「絶対、行きた〜い」と番組でさけんでました。これを聞いて、Satomiさんが立ち寄って、メッセージと写真を送ってくださいました。嬉しい!ありがとうございます。-Mugi

いろいろなコーナにZINE分類

さて、今日、仕事帰りにLincoln SquareにあるArt Co-opのZine Festに行ってきたので、そこで撮った写真を添付しますね。すみません、急いでいたのでZineを読む時間がありませんでした。でも、いろんなコーナーに分類されていて、一つ一つ手にとって開けてみたいな、という気にはなりました。分類ですが、Series, Comics, Photo, Poetry&Lit, Politics & Activism, Cats, Collage, Music. Feminist & Queer,Perzines, Fanzinesといったふうに分けられていました。-Satomi

CATS ZINE ?!

Zine展示のカテゴリーによる分類は、図書館の本とは違って、統一されたものがないので、なかな難しい。UC IMCのZine Libraryも工夫して分類されていますが、CATS!は初めてみました。猫好きのZinesterは、世界中に存在してそう(Cats Zine Festなどもあるのかな。ちなみに、京都文化博物館で「もしも猫展」開催中(2023. 9.23〜11.12)。

Satomiさんから送っていただいたたくさんの写真は、ZINE展示をする場合に参考になると思ったのは、「見せ方」です。ZINEは、小冊子で、背表紙がない場合が多く、本棚に入れて並べてもそれぞれの特徴がわかりにくい。図書館や書店で扱うときも、スペースの作り方が難しい。Art Co-opの写真を見ていると、白っぽい壁の全面を使って、上からぶら下げたり、雑誌棚をいれたりと、動きがあり、展示スペース全体が楽しく、かつ手に取れるようになっています。また壁にある説明やイラストは統一感があり、多様なZineたちをさりげなく、上手にまとめているなあ、と思いました。-Mugi

「としょけっと」図書館総合展@横浜

Ryutaさんが今日のトークで話された図書館総合展では、Zineコーナはありませんかと尋ねたら、「としょけっと」(図書館をテーマにしたり、図書館関係者が作った同人誌などを委託する同人誌即売会)も人気ですよ、と。へえ〜(詳しくはこちらも)Mugi

Part3, ” The Opioid Crisis” 麻薬性鎮痛剤、オピオイド問題

先週のWataruさんとのGISシリーズのテーマが、「麻薬性鎮痛薬依存症の治療施設への地理的近接性」についてでした。そこで問題となったアメリカのオピオイド禍について、Part3では話題にしました。Opioid Crisisとはどのような問題なのでしょうか。

オピオイド (opioid) は、アヘン (opium) 系の成分を有する鎮痛剤で、アヘンが麻薬であるように、高い中毒性があります。その中毒性の高さから、日本では進行したガンなど、強い痛みを止める時にしか使用しないと思うのですが、アメリカでは1990年代に「中毒性が緩やかである」と謳うオピオイド系鎮痛剤が認可され、腰痛など、慢性的な痛みに対しても広く処方されました。

しかしながら、「中毒性が緩やか」という製薬会社の主張は実際には正しくなく、多くの患者が処方された鎮痛剤により中毒に陥り、オーバードーズで死に至るケースも発生しました。さらに、2000年代になると、これらの中毒患者や、他の麻薬使用者をターゲットに違法なヘロインが出回るようになって被害が拡大。近年は合成オピオイドであるフェンタニルによる被害が広がっていると言われています。

北米(アメリカとカナダ)では、1999年からこれまでに60万人以上がオピオイドのオーバードーズで亡くなっており、それよりさらに多い人が中毒による失業、貧困、家族の崩壊などに苦しんでいるとされています。(参照)また、オピオイド中毒やオーバードーズ死が既にある貧富の格差、都市中心部と都市郊外と農村部との間の医療格差などと重なっているケースも多いと思われ、対策が急務となっています。- Ryuta 

北米のオピオイド危機に関して、あまりにも問題が大きく深すぎて、コロナ禍の影響もあるかと思いますが、なぜこの問題が長期にわたり、そして今だに拡大しているのか、知りたいと思いました。政府と製薬会社、医療機関、学会などの関係といった構造的な問題が根深くありそうです。薬物使用障害からの回復を社会がどのように支え、環境づくりを進めるのか、そうした研究に健康地理学、GISという分野から携わっている Wataruさんのお話、HSでもまた伺いたいと思います。『絶望死ー労働者階級の命を奪う「病」』2021という本にも、この問題についてふれられていました。-Mugi

* “Understanding the Opioid Overdose Epidemic” CDC *”What led to the opioid crisis—and how to fix it” T. H. Chan, School of Public Health, Harvard,  Feb.9, 2022, *窪谷浩「米国でオピオイド中毒死者数が急増~コロナ禍でオピオイド危機が再燃」ニッセイ基礎研究所, 2023年1月4日、*合田禄「薬物過剰摂取による死者、米国で年10万人超 大半は『オピオイド』」朝日新聞 DIGITAL 2021年11月18日

■Ed Sheeran 「 Autumn leaves」■Hurry Styles「 Golden from Fine Line」■今井美樹「PRIDE

 

 

 

 

 

 

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