No. 705, Sept. 27, 2024, 久しぶりに映画話、外来語の日本語化、サブスクと翻訳

ようやく秋の始まり

日本各地も、朝夕は少しは涼しくなってきました。Tomさんによると、U-Cも過ごしやすい気候、スーパーにはパンプキンがたくさん並んでます、と。ようやく、秋の始まり。今日のHSは、Part1では映画話、UIUCのAsiaLENSや伊勢真一監督『大好き』(2024)について。Part2では、日本語の外来語の話題からサブスクと翻訳とAIについてなど、Part3は、Kanaさんが出品するこの秋の展示会を紹介しています。アートな秋の始まりです。

Part1, AsiaLENS -CEAPS , 伊勢真一『大好き』(2024)

AsiaLENS – “Breaking the Cycle”

AsiaLENSは、CEAPS(Center for East Asian and Pacific Studies, UIUC)が主催するアジアのドキュメンタリー映画の上映会です。一般の方も参加できます(無料)。

Breaking the Cycle:2014年10月1日(火)5pm-@108 Coble Hall (801 S. Wright Street)

Breaking the Cycle captures the political awakening among Thais after the rise and fall of Thanathorn, a young politician who calls to end the cycle of coups d’etat. The film explores the 2019 election in Thailand, which marked the end of five years of full military rule and a new group of young politicians who campaign against an authoritarian constitution, sparking hope and a once-in-a-generation youth movement.

今回は北米の19大学のキャンパスを繋いで同時上映、その後、ZOOMでフィルムメーカー、 Aekaphong Saransate and Thanakrit Duangmaneepornとの座談会がZOOMで開催されます。詳しくはCEAPSのサイトへ。

伊勢真一監督『大好き〜奈緒ちゃんとお母さんの50年〜』2024

伊勢真一監督の映画については、これまでもAsiaLENSやその他のアメリカの映画祭などに関連して、HSでも紹介してきました*。最新作『大好き』の詳細は、いせフィルの作品サイトへ。HSでは、「かんとくのつぶやき」の「創ってよかった」(2024年8月)を一部紹介しました。

奈緒ちゃんと家族の物語に、観るひとのまなざしがうつるドキュメンタリー

Mugikoはこの映画を、京都シネマでみました。生と成長と出会いが、死と老いと別れといつも背中合わせだと感じました。多くの人が、自分の「記憶」とどこか重ねてこの映画をみて、笑ったり泣いたり励まされたり愛おしく感じたりするのだろうと思います。観客のまなざしがうつるドキュメンタリーって、すごいなあ。-Mugi

HS No. 642, July 14, 2023, Part1, Dump&Run, 伊勢真一監督『Pascals〜しあわせ のようなもの〜』・HS No. 611, Dec. 9, 2022, 『いまはむかし』インドネシア上映会報告by Shinichi Ise・No.607, Nov. 11, 2022, AsiaLENS, Shinichi Ise “Now is the Past”・No. 578, April 22, 2022,『いまはむかし』緊急上映会 への呼びかけ – 伊勢真一監督, No.576, April 8, 2022, 「戦争を止めてほしい」という強い思いを感じる from Shinichi Ise, ・No.572-2, March 11, 2022,伊勢真一監督『いまはむかし』が今、語りかけるものNo. 464, Feb. 14, 2020,伊勢真一監督最新作「えんとこの歌〜寝たきり歌人・遠藤滋〜」第74回(2019年度)毎日映画コンクール「ドキュメンタリー映画賞」受賞、おめでとうございます!・No. 444, Sept.27, 2019,「Home,Sweet Home」が今度は、Cincinnati, OHで上映されます!伊勢真一監督からのメッセージ・No. 425, May 10, 2019, 伊勢真一監督から試写会ハガキ・No.424-2, May3, 2019,「1本の長い映画を作り続けている気がする」With Shinich Ise(後半)No.423, April26, 2019, 「ドキュメンタリー映画だからできること」with Shinichi Ise(前半)No. 416, March 8, 2019,Truth/False Film Fest@Columbia, 伊勢監督にインタビューNo. 414, Feb. 22, 2019, T/ F Film Festで『やさしくなあに』上映、伊勢真一監督からの手紙,トランプ大統領の「国家非常事態宣言」に抗してNo. 415, March 1, 2019,Part3, コメント、 伊勢監督からの手紙、英訳byRyuta、朗読byTom・No. 104, March 22, 2013, NaoさんとIseさんからのメッセージ
*NagoyaのMichiyoさんがHSの季節の話題を聞いて、写真を送ってくださいました。ありがとうございます!人にとっても植物にとってもきつい夏でした。

Part2,日本語化する外来語、グローバルに流通していく日本語、AIと翻訳

日本語化した外来語

9月にお届けしたSayakaさんとKyokoさんとのトーク(No.703)のなかでふれた、フランス語の「サボタージュ(sabotage)」は、日本語でいう「サボる」の語源です。フランス語では破壊工作や妨害行動などをさしますが、現在の日本語では怠けてサボるというニュアンスで用いられています。「サボる」のようにすっかり日本語化した外来語はたくさんあります。Ryutaさんが例にあげたのは、江戸時代に入ってきたようなポルトガル語の「ボーロ」(bolo:ケーキ等のお菓子の総称)やカルタ(carta:札)。

サブカルチャーと日本語のグローバルなひろがり

逆に日本のサブカルチャーが海外でも人気になり、「オタク」や「センパイ」という日本語が海外でも使われるようになりました。近年では、オンラインで無数の動画を目にし、サブスクによって多数の映画をみることができるようになりました。声優がセリフを吹き替えるよりも元の言語の音声に、それぞれの言語の字幕対応をするほうが、費用を抑え時間を節約できます。

AIの言語学習と翻訳の精度

これまで翻訳のお仕事にも関わってこられたRyutaさんとの翻訳とAIのお話、興味深かったです。グローバルに流通する文化産業において字幕やゲームなどの翻訳の需要が高まる一方で、さまざまな段階でAI(Artificial Intelligence, 人工知能)も活用されるようになりました。ヨーロッパの言語のように相互に共通点がある言語間は直訳がしやすい場合もありますが、英語と日本語では意味や文脈を把握できないと翻訳は難しい。また、ゲームの使い方のマニュアルも、時代によって使われる単語や表現が変わったりします。新語も生まれます。世代によることばのギャップもあります。いろいろな「ずれ」も含め、AIは、より多くの情報を蓄積することで、文脈に応じたより正しい翻訳の「確率」をあげていきます。人とは情報収集、処理、学習のスピードが異なるAIが今後どのように展開し、人がそれをどのように利用し、あるいは無意識のうちに操作され、何がおこるのか。

ことばのずれと通じ合えるゆるさの面白さ

そもそも、人と人とのあいだではことばをとおしたコミュニケーションも誤解もたくさん。そこでおこる「ずれ」が会話の幅を作ってくれたりします。全部が伝わらないけれど、何かが通じ合える。異なる場所をつないぐHSのおしゃべりの面白さも、そんな「ゆるさ」にもあります。これからAIが活用されるようになると、言語の壁をこえて交流しやすくなるけれど、ことばがより「正しく」整理されていくのではないかと、なんだか不安でもあります。ことばの話、これからもしてゆきたいです。まとめと感想-Mugi

Part3, アートの秋、Kanaさんが参加する展示会「morganite」@Kyoto

Kanaさんのグループ展の今年のタイトルは「morganite」(石の名前)、8名のアーティストが参加します。日時:2024年10月10日(木)~10月13日(日) 11:00〜18:00(最終日は17:00まで)会場:バックス画材2Fギャラリー

■Pascals「326」■はっぴいえんど「風をあつめて」■Narry, feat. nayuta 「morganite

カテゴリー: Harukana Show-Podcast パーマリンク

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